猫の尿石症

 このところ暖かい日が増え、動物たちにとっても過ごしやすい季節になってきました。
日向ぼっこする動物を見ているとこちらの心まで温かくなりますよね。
寒い冬には風邪や心臓病など、様々な病気が悪化しやすいのですが、そのような病気の1つに猫の尿石症もあげられます。でも、暖かくなってきても油断は禁物!
 あなたの猫ちゃん、ちゃんとおしっこ出てますか?

猫の尿石症は、尿中に砂状の細かい石ができる病気です。
若くても、年をとってからでも、男の子にも女の子にもみられます。
石が尿と一緒にでているうちはいいのですが、男の子の猫では尿道が狭いため、ある時突然尿道に詰まってしまう「尿道閉塞」を引き起こすことがあります(女の子では尿道が広いため、起こりにくいのです)。
すると猫は排尿できなくなり、「何回もトイレに行き力むのにおしっこが少ししか、もしくは全く出ない」という状態になります。

 尿の中には腎臓でろ過され、体の外に排泄されなければならない老廃物が含まれていますから、尿が排泄できなければ老廃物も体の中にたまっていくことになり、やがて猫は食欲もなくなり、嘔吐がみられるようになり、次第にぐったりしてきます。この状態が続けば、死んでしまいます。

ほとんどの飼い主さんは猫がトイレに何度も行き、力んでいる段階で来院されますが、もう少し症状が進んで嘔吐がみられるようになってから来られる方もいらっしゃいます。
たいていの場合、病院での治療により元気になりますが、閉塞が1週間以上続いていたために亡くなってしまったというケースも経験しています。尿石症による尿道閉塞は命にかかわる病気です!

もしもおしっこの仕方がいつもと違う、とか、おしっこが出ていないかも?
と思われるようであれば様子をみたりせず、すぐに動物病院に連れていってあげてください!!